鏡開き

鏡開きは、その年の年神さまに供えた鏡餅を小さく割り、お汁粉などにして食べる行事です。

鏡餅は、大小の丸い餅を重ねて出来ており、橙〔だいだい〕、譲葉〔ゆずりは〕、昆布、裏白の葉(シダの葉のこと)などで飾られます。古来から、お餅は歳神様のご神体であると考えられていました。また餅は、望月(もちづき=満月)に通じ、その丸い形から家庭円満を象徴するとも考えられており、縁起物としてお正月に飾られるようになりました。

鏡開きは、こうして飾っておいて硬くなったお餅を、かなづちなどで叩き「開き」ます。
「割る」というのは縁起が悪いので、「開く」と表現されます。

元々は武家社会の行事で、具足開き(鎧や兜に供えた餅を雑煮などにして食べた)といったものでした。そのため、鏡餅は刃物で切ると切腹のようだと忌み嫌われ、手や木槌で割り、開くようになったことから、鏡割りでなく、鏡開きといわれています。

一方、商売をする家では新年初めて蔵を開き、商売繁盛を祈る行事をこの日に行います。やはり、鏡開きのように鏡餅を割って食べるのですが、こちらは蔵開きといいます。

ちなみに鏡開きは元々「刃柄(はつか)」を祝うといったところから1月20日でしたが、江戸時代に徳川3代将軍家光が1月20日に亡くなった事から、この日を避け、現在のように1月11日に行うようになりました。

さすが将軍の影響力です。

鏡餅の由来

そもそも、なぜお供えのお餅を鏡餅というのかというと、その年の神様への神饌物として奉納するという意味です。

その形は三種の神器を形取っているといわれ、餅は鏡(八咫鏡)・橙は玉(八尺瓊曲玉)・干し柿は剣(天叢雲剣)を、また餅を重ねるのは重ね重ねの意があり、橙は代々家が繁栄するの意、干し柿は真ん中に6個両端に各2個あることから「外にはニコニコ、中(仲)睦まじく」の意があるとされています。

まるで判じ物ですな(笑)
途中から、神様関係なくなってるしね。

さらに、裏白の葉は心に裏表がない清廉潔白を表し、昆布は喜ぶや子生(こぶ)に通じ、御幣は清浄を表し、海老は不老長寿に通じるとされています。

なんかもうごちゃ混ぜですが、一つ一つにちゃんと意味があるのです。

また、鏡餅は単なるお供え物というよりも、年神様が宿るところだと考えられているので、鏡餅を開くことで年神様をお送りし、お正月に一区切りつけるという意味があるわけです。

この、飾った鏡餅を飾っておくだけだと、年神様にお供え物をしたにすぎません。
それで八咫鏡になぞらえた鏡餅を小さく叩き割る(開く)。

同じような言葉で、酒樽の鏡開きは、酒屋で酒樽の上蓋を鏡と呼ぶことに由来するようです。

三種の神器を割っていいのかというツッコミは、とりあえず横においておいてください(笑)

この、年神様の力が宿った鏡餅をいただくことでその力を授けてもらい、1年の一家一族の無病息災を願います。

供えて、開いて、食べてこそ鏡餅の意味があるんですね。

じゃあ、食べないとどうなるのでしょうか?

答え!

かびます(笑)

ただ、最近の鏡餅は、外側はプラスチックで中に切り餅が入っているのがとても便利。

こうなると、意味もあったものじゃないけど、かびないし、食べやすいので、我が家では、ここ数年これが主流です。

私が子供のころは、鏡餅がかびて青くなったものを削って食べたものでした。
お汁粉にしたらわからないし・・・

青カビはペニシリンの原材料だから体にいいなんて言われて、そうなんだと素直に喜んで食べていました。

今考えると・・・なんですけどね。

だってカビの生えた餅、食べたいですか?
私は、食べたくないです。絶対に体に悪いです。

そりゃあ、鏡餅の形も変わりますわ。
これ考えた人、ホントえらい!

最近では、餅もつかずに買ってくるだけだし、ほんと便利になりました。
カビの生えないうちに鏡餅を開いて、お汁粉にして食べましょうね(笑)

なぜ餅にカビが生えるのか

そうそう、私の好きな落語の枕に次のようなものがあります。

弟子が、カビの生えた鏡餅を見て師匠に尋ねます。

「師匠!なぜ、餅にはカビが生えるんですかね?」

すると、師匠はこう言い放ちます。

「ばかやろう!早く食わねえからだ!」

この枕、大好きなんで、ちょこちょこ、あちこちで使わせてもらっています。

私は、落語が大好きで、よく寄席に聞きに行きます。

なぜか笑点の司会者である「春風亭昇太」師匠は同級生で、小・中・高・大と全て同じでした。

さらに、中学の時は同じ部活で、よく家に遊びに来て、私の部屋に入り浸っていました。まさか、落語家になるとは・・・

しかも、えらく出世しちゃいましたね。

ちなみに、うちの娘の小学校の同級生で、出席番号が一つ後ろが「広瀬アリス」ちゃんです。「広瀬すず」ちゃんは、当時は、まだ小さかったので、あまり印象にありませんが、こっちも、有名になりましたね。

私の周りには、なぜか、有名人が結構多いです。

そういえば、静岡市長なんかもよく声かけてきます。
「先輩!お元気ですか?」って

とりあえず、私と関係をつくると、有名になれるかもしれません(笑)

雑煮考

餅といえば、私は雑煮が一番好きなんですが、これも本当に奥が深い・・・

私の両親は四国の香川県出身なので、雑煮は白味噌仕立てに、餡のはいった丸もち。

これが、びっくりするほどウマイ!

最近では、TVでも紹介されることが多く、あまり気味悪がられなくなりましたが、昔は話すと、引かれました・・・

「気持ち悪い!」って

でも、これ、機会があったらぜひ一度食べてみてください。
ホント癖になりますから。

じつは、味噌と餡はとても相性がよくて、みそ饅頭(これは能登のほう)なんか最高です。

で、それに近い味が、香川の雑煮です。

ちなみに静岡は、すまし仕立ての角餅、あと、かまぼこや水菜とかで、何の変哲もなし。

なんとも、つまらないですねぇ。

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